大阪府民共済(都道府県民共済の大阪府版)の掛金などを支払った場合に適用を受けられる生命保険料控除には、どのくらいの減税効果があるのでしょうか?
財務省の所得税の課税ベース(給与収入700万円の場合)をもとに、夫婦と子ども2人(1人が一般扶養控除の対象(16歳以上)、1人が特定扶養控除の対象(19歳以上23歳未満))の給与所得者のケースで、生命保険料控除による減税額を計算してみます。
生命保険料控除の適用前(単位:円)
給与収入 | 700万 | |
給与所得控除額 | 190万 | 700万×10%+120万 |
給与所得 | 510万 | 700万-190万 |
各所得控除 | ||
社会保険料控除 | 70万 | 健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの保険料や掛金 |
配偶者控除 | 38万 | 所得が38万以下の配偶者 |
一般扶養控除 | 38万 | 16歳以上の扶養親族 |
特定扶養控除 | 63万 | 19歳以上23歳未満の扶養親族 |
基礎控除 | 38万 | |
各所得控除の合計 | 247万 | |
課税所得 | 263万 | 510万-247万 |
所得税(速算表) | 16.55万 | 263万×10%-9.75万 |
生命保険料控除の適用後(単位:円)
上記のケースで、一般の生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除をそれぞれ上限額の4万円(計12万円)の適用を受けた場合の所得税を計算します。
給与収入 | 700万 | |
給与所得控除額 | 190万 | 700万×10%+120万 |
給与所得 | 510万 | 700万-190万 |
各所得控除 | ||
社会保険料控除 | 70万 | 健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの保険料や掛金 |
配偶者控除 | 38万 | 所得が38万以下の配偶者 |
一般の生命保険料控除 | 4万 | 上限額 |
介護医療保険料控除 | 4万 | 上限額 |
個人年金保険料控除 | 4万 | 上限額 |
一般扶養控除 | 38万 | 16歳以上の扶養親族 |
特定扶養控除 | 63万 | 19歳以上23歳未満の扶養親族 |
基礎控除 | 38万 | |
各所得控除の合計 | 259万 | |
課税所得 | 251万 | 510万-259万 |
所得税(速算表) | 15.35万 | 251万×10%-9.75万 |
生命保険料控除による減税額
生命保険料控除の適用を受ける前と比べ、所得税が1.2万円(16.55万ー13.35万)減少することになります。
一般の生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除をそれぞれ上限額である4万円(計12万円)の適用を受けた場合の減税額ですので、大阪府民共済などの掛金だけの場合は、もっと減税額が少なくなります。
なお、生命保険料控除の金額に所得税の税率を掛けると、減税額を計算することができます。
このケースでは、所得税の税率が10%ですので、減税額は1.2万円となりました。
(生命保険料控除の合計額12万円×10%=1.2万円)
同じように、
- 所得税の税率が5%の場合、12万円×5%=0.6万円の減税額となります。
- 所得税の税率が20%の場合、12万円×20%=2.4万円の減税額となります。
- 所得税の税率が23%の場合、12万円×23%=2.76万円の減税額となります。
- 所得税の税率が33%の場合、12万円×33%=3.96万円の減税額となります。
このことからわかるように、生命保険料控除は所得控除の1つとして所得から控除するものであり、税額から直接控除する住宅借入金等(住宅ローン)特別控除などの税額控除ほどの減税効果はありません。